一人暮らしにかかる費用

COST

一人暮らしにかかる初期費用

一人暮らしを始める際に、初期費用がどれくらいかかるのか気になることでしょう。特に大学生や短大生、専門学生、新卒の社会人など、新生活のスタートではなるべく節約したいと考える方も多いでしょう。

特に女性の場合、鍵の交換などの防犯対策にかかる費用は無視できない要素です。

このページでは、地域別や家賃別のシミュレーションや費用の節約方法について解説します。

契約時にかかる費用や引越し、家具や家電の総額について

一人暮らしを始める際にかかる初期費用は、主に以下の3つのカテゴリに分けられます。

1. 入居時の賃貸契約にかかる費用
2. 引越し業者へ支払う費用
3. 家具・家電・日用品を揃える費用

これらの項目を考慮して、予算を立てることが一人暮らしのスムーズなスタートに繋がります。

入居時の賃貸契約にかかる費用

一人暮らしの初期費用としてまず挙げられるのが、入居時の賃貸契約にかかる費用です。

その中には、①賃貸契約で必ず支払う初期費用と②任意・物件によって発生する初期費用の2種類があります。

①の項目であっても、物件によっては無料になるケースもあります!

賃貸契約で必ず支払う初期費用

項目 費用目安
敷金 家賃1ヶ月分
礼金 家賃1ヶ月分
家賃先払い 家賃2ヶ月分(※)
共益費・管理費先払い 2ヶ月分(※)
不動産会社への仲介手数料 家賃1ヶ月分
保険料(火災) 1万円

※入居日によっては日割り計算となる

賃貸契約の際には、通常、敷金や礼金、家賃・共益費などの前払い、不動産会社への仲介手数料、そして火災保険への加入が求められます。

敷金・礼金は、物件によっては0円の場合や、家賃の2ヶ月分の場合もあります。
不動産会社への仲介手数料は、上限が家賃の1ヶ月分であり、物件によってはかからないケースもあります。

家賃や共益費・管理費は、月の途中から入居する場合には、その月の日割り分に翌月分を加えた金額をまとめて先に支払うこととなります。

日割り家賃の計算方法
家賃÷30日×入居日から月末までの日数
※1ヶ月を30日とするか、あるいは31日とするかは、不動産会社や大家さんによって異なります。賃貸借契約書を確認しましょう。

日割り家賃の具体例
家賃60,000円の物件に4月10日から入居する場合
60,000円÷30日×21日=42,000円

任意・物件によって発生する初期費用

項目 費用目安
保証人代行(保証会社) 家賃の半額
消毒・清掃費 1~2万円
鍵の交換費用 1~2万円

賃貸契約の際に連帯保証人を見つけることができない場合、保証人代行サービスを利用すると、通常の家賃の半額程度が初期費用として発生します。

また、契約時には消毒・清掃費や鍵の交換費用が発生することがあります。これらの項目は、不動産会社や大家さんと交渉することで削減したり、負担を軽減したりできる場合もあります。ただし、防犯上の問題がある場合、大家さんが複数の鍵を保有して入居者が変わるたびに付け替えてくれるようなケースでなければ、鍵の交換費用は削減することに慎重になるべきです。

家具・家電・日用品を揃えるのにかかる費用

任意・物件によって発生する初期費用

項目 費用目安
家具 ・ベッド
・机
・椅子
・カーテン
・照明 など
【家具の目安総額:約5万円】
電化製品 ・冷蔵庫
・電子レンジ
・炊飯器
・洗濯機
・掃除機 など
【家電の目安総額:約10万円】
日用品・雑貨 ・キッチン用品
・バス用品
・トイレ用品
・洗濯用品
・生活用品 など
【日用品の目安総額:約1万5千円】

一人暮らしで使用する家具の予算は約5万円、電化製品には約10万円、日用品・雑貨には約1万5千円かかります。
総額16万5千円程度で、基本的な必需品を揃えることができます。

ただし、ライフスタイルや部屋の設備によっては、不要なアイテムの購入を削減することで、さらなるコスト削減が可能です。

家賃別・地域別の平均目安

家賃は給料(月収)の約3割に収めることが推奨されています。

■給料と家賃の理想的な割合は…
・手取り給料が15万円の場合、家賃は約5万円程度(※)
・手取り給料が20万円の場合、家賃は約7万円程度(※)
・手取り給料が25万円の場合、家賃は約8万円程度(※)
※上記は家賃に共益費等を含めた場合の総額を指します。

ここでは、最初に紹介した一人暮らしの初期費用を、東京都内23区に住むと仮定して、具体的なシミュレーションを行います。全国賃貸管理ビジネス協会による「全国平均家賃による間取り別資料の推移」によれば、東京都内のワンルームの平均家賃は71,352円です。仮に家賃が7万円の場合、入居時の賃貸契約にかかる初期費用はいくらになるでしょうか。

【家賃別】一人暮らしの初期費用一覧

家賃 初期費用目安
3万円 約16万円
4万円 約22万円
5万円 約27万円
6万円 約32万円
8万円 約42万円
9万円 約47万円
10万円 約52万円

これらの費用に加えて、①物件や契約によって発生する任意の費用や、②引越し代、③家具家電の購入費用などがプラスされるため、実際にはさらに20~30万円程度が必要となります。

地方の場合

一人暮らしの家賃とそこから割り出される初期費用の目安は理解いただけたかと思います。
ここでは更に、人口TOP10の都道府県をピックアップし、ワンルームの場合における地域別の家賃平均を整理しました。
【家賃別】一人暮らしの初期費用一覧と併せて、引越し先のエリアごとの初期費用をシミュレーションしてみてください。

【地域別】一人暮らしの家賃平均

都道府県 家賃平均
北海道 41,711円
埼玉県 50,613円
千葉県 49,473円
東京都 71,352円
神奈川県 56,862円
静岡県 46,925円
愛知県 46,810円
大阪府 49,838円
兵庫県 52,173円
福岡県 44,996円

当面の生活費も準備しておきましょう

一人暮らしでは初期費用の他に、当面の生活費も確保する必要があります。
ここでは、総務省統計局が四半期毎に提供している「単身世帯の家計収支(2018年1~3月期)」を基に、単身世帯の1ヶ月の生活費平均(消費支出)をご紹介します。

【地域別】一人暮らしの家賃平均

項目 単身世帯(34歳以下)
食費 40,793円
光熱費・水道 6,934円
家具家事用品 2,522円
服飾購入 7,979円
保健医療 3,420円
通信 6,461円
雑費 11,891円
総額 80,000円

こちらは34歳以下の生活費平均なので、学生さんや新卒の社会人の方からすると高く感じる部分もあるかもしれません。
生活費にはどんな項目があるのかを確認しつつ、自分の生活レベルでは実際にいくらくらいになるか、ぜひシミュレーションしてみてください。
その生活費と家賃分を準備しておけば大丈夫です。

生活費をもっと抑えるには…
・コンビニをできるだけ使わずに、スーパーを利用する
・外食を控えて自炊する
・パソコンを持たずにスマホのみですませる
・服や日用品の購入にフリマアプリを活用する などがあります。

敷金礼金なしやフリーレントで契約

一人暮らしにかかる費用では賃貸契約時の初期費用が最も高いため、それをいかに節約できるかがポイントとなります。
ここでは最後に、一人暮らしの初期費用を抑える方法をご紹介します!

敷金礼金なしの賃貸物件を探して契約する

敷金礼金なしの賃貸物件は、初期費用を抑えたい場合には有益ですが、以下の点に留意する必要があります。

・敷金礼金の分が家賃に上乗せされていて、家賃が相場よりも割高になる可能性がある。
・近隣住人とのトラブルなどが原因で入居者が募りにくく、そのために敷金礼金が設定されていない場合もある。

これらの要因を考慮して物件選びを行うことが重要です。

フリーレントの賃貸物件を探す・交渉する

フリーレントの賃貸物件は、入居後一定期間は家賃が発生しない物件のことです。「フリーレント1ヶ月」「フリーレント2ヶ月」などの物件を選ぶと、その間の家賃が無料になり、初期費用を抑えることができます。また、フリーレントの期間が設定されていない物件でも、交渉次第でオーナーや不動産会社との間でフリーレントの取り決めをすることが可能です!

繁忙期を避ける

不動産業界の繁忙期を避け、閑散期である5~7月、11月、12月に合わせて物件探しをすると良いです。閑散期は空室が埋まりにくく、そのため敷金礼金なしの物件が比較的多く見られます。

さらに、オーナーや不動産会社もフリーレントや家賃の値下げ交渉に応じやすくなります。

また、先に説明した通り、引越しの費用も繁忙期を避けることで安くなります。

月末や月頭から入居する

月末に入居すれば、日割り家賃が数日分ですむため、その分の初期費用を節約できます。さらに、月頭に入居する場合は初期費用として前家賃(翌月分の家賃)を支払わなくてよいケースもあります。

ただし、物件によって家賃の支払い時期が異なるため、具体的な物件の契約条件を確認しておくと、どのタイミングがお得かを把握できます。

仲介手数料のかからない物件を選ぶ

UR賃貸や大家さんが仲介者の場合、大家さんが仲介手数料を負担してくれるケースでは、仲介手数料がかからないことがあります。これは最大で家賃の1ヶ月分にもなる仲介手数料を節約できるチャンスですので、探してみる価値があります。

一人暮らしの新生活を快適にスタートさせるために、初期費用を上手に把握し、抑える工夫をしてみてください。